平成24年度税制改正(個人所得の改正点)について前回から解説しております。
今回は(3)勤続年数5年以内の法人役員等の退職所得についての2分の1課税の廃止について。
「役員等」とは次に掲げる者をいいます。
・法人税法第2条第15号に規定する役員
・国会議員及び地方議会議員
・国家公務員及び地方公務員
退職所得とは、会計上は『給与の後払い』という位置付けとなっています。
その性格から累進緩和措置(2分の1課税)を採ることにより、特別に負担軽減が図られていました。
しかしながら、総務省によると、役員の平均在任期間は7年程度、役員の退職慰労金は短い在任期間でも比較的高額、自己決定度合いも高いとされており、一般従業員の退職金とは異なる事情にあります。
短期間のみ在職することが当初から予定されている法人役員等が、給与の受け取りを繰り延べ、高額な退職金を受け取るといった方法により税負担を回避することのないよう、改正が行われました。
また、「渡り」と呼ばれる天下りに対する措置らしいのですが・・・これによって天下りが減るとは考えられません。
中小企業の方も勤続年数5年以下と5年超では、退職金に掛かる税金が大きく変わることをご留意下さい。
※退職金の計算では年未満は切り上げられますので、5年と1日でも5年超となります。
この改正は平成25年所得税より適用されます。
個人住民税については、平成25年1月1日以後に支払われるべき退職手当について適用します。
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